1968年生まれ。
青森県出身。
大学在学中の1989年に競馬通信社入社。
1997年に退社後、フリーライターとなりさまざまな雑誌に寄稿するほか、テレビやイベントなどへの出演もこなす。2010年に設立した株式会社ミエスクの代表取締役となり、血統・配合の総合競馬サイト「血統屋」を主宰する。
ディープインパクト産駒はどの条件でもまんべんなく強く、夏の2歳戦も成績優秀。とくに北海道シリーズでは圧倒的な実績を誇る。6月の東京と阪神、7月の中京でも素晴らしい成績で、同産駒の評判馬が出てくればまず馬券圏内を外さない。ただ、オールマイティーであるだけに、ローカルの2歳戦向きの血統、というわけではない。
この時期の2歳戦で狙っておもしろいのは、ダイワメジャー、キンシャサノキセキ、ヨハネスブルグの“ローカル2歳戦御三家”。いずれも仕上がりの早さに定評があり、ダッシュ力に優れたスピード血統なので、先手を奪ってそのまま、という競馬がビデオリプレイのように毎年繰り返されている。
夏競馬は大半が平坦小回りコースで行われる。中央開催に比べると直線が短く(新潟外回りコースを除く)、ゴール前に上り坂がないのが特徴だ。2歳戦は短距離で争われるものがほとんどなので、コース形態と合わせて前に行った馬が止まりづらいという傾向が見られる。スピード、先行力、仕上がりの早さ。この3つが重要だ。前出のダイワメジャー、キンシャサノキセキ、ヨハネスブルグの3頭は、これらを高いレベルで満たす種牡馬といえるだろう。


ダイワメジャーはこの時季の2歳重賞の常連。昨年も新潟2歳Sでフロンティアとコーディエライトがワンツーフィニッシュを決めた。キンシャサノキセキも2歳重賞に強く、昨年の函館2歳Sをカシアスが勝ち、一昨年はモンドキャンノが2着となった。ヨハネスブルグはスピードタイプで仕上がりが抜群に早いので、芝・ダートを問わず1000~1200mの新馬戦は鬼だ。
現2歳世代が2世代目となるロードカナロアは、昨年の初年度産駒が夏競馬で大活躍した。6~8月の3ヵ月間に7勝。これらはすべて芝で、勝ち距離を調べると、1200m1勝、1400m1勝、1500m1勝、1600m3勝、1800m1勝。マイルの成績が一番優れている。その一方で短距離は案外、という傾向が出ている。1500~1800mでは、勝率25%、連対率45%、複勝率60%という驚異的な成績だ。
新種牡馬で注目したいのはダンカーク。2013年に北米ファーストクロップサイアーランキングで1位、という勲章がある。仕上がりが早いアメリカ血統のなかでも相当早くから動けるタイプで、この春行われた3つの調教セールでもダンカーク産駒はシャープな脚さばきを披露していた。夏の2歳戦では突っ走るかもしれない。
現役時代に2歳牡馬チャンピオンとなり、マイルGⅠを2勝したグランプリボスも、2歳戦では注目したい1頭。サクラバクシンオー産駒なので2歳夏の平坦競馬には適性があるだろう。旋風を巻き起こす可能性がある。