市丸博司 いちまる ひろし

1959年生まれ。
佐賀県出身。
早稲田大学教育学部卒業後、出版社、フリーライターを経て、現(株)レイヤード代表。1992年頃からパソコンと競馬を結びつけるさまざまな試みを紹介してきた。現在はPCを駆使する電脳予想家として「競馬予想TV!」(フジテレビONE)などにレギュラー出演中。夕刊フジに予想コラムを掲載するほか、イベント、雑誌などでも活躍中。

今年の2歳戦が始まって、早くも2か月が経とうとしています。新馬を勝ち上がった馬たちによるオープン戦や重賞が行われ、主に負けた馬たちによる未勝利戦の数も増えてくる頃です。

2歳戦の華といえば、やはり新馬戦。なにしろ一度も走ったことのない馬たちのデビュー戦ですからね。後にGⅠ馬を2頭以上輩出することになったレースなどは、「伝説の新馬戦」などと語り継がれたりします。

伝説の新馬戦 2008年10月26日京都5R
1着アンライバルド(皐月賞馬)
2着リーチザクラウン(ダービー2着)
3着ブエナビスタ(牝馬二冠)
4着スリーロールス(菊花賞馬)

こと馬券に関しても、新馬戦は「後のGⅠ馬と未勝利馬が一緒に走るレース」などといわれ、馬券的な妙味があるという説を聞くことがよくあります。調教や血統を予想の根幹に置いている方は、ことに新馬戦こそが勝負だと言ったりしますよね。

しかし、われわれデータ派、タイム派などと呼ばれるカテゴリーの予想家にとっては、「一度も走っていない馬たち」による新馬戦は難しいもののひとつです。なにしろ、予想のよりどころにするデータが少ないですからね。

個人的に新馬戦は好きなほうで、将来どんな馬になるかを夢想しながら血統や調教から馬券をよく買います。ただし、どうしても勝負はしにくい。データ派であれば、ある程度仕方がないことでしょうか。

さて、これからが本題です。では、2歳戦で馬券勝負するなら?

意見はいろいろあると思いますが、データ派である筆者は「未勝利戦」だと考えています。もちろん、重賞やオープンでも勝負しますが、数からすると圧倒的に未勝利戦のほうが多い。

馬券の鉄則は、いろんなレースから「選んで勝負する」ことだと思っています。したがって、この時期から増えてくる未勝利戦をすべて予想し、データに合致するレースがあったり、データ的に狙い目の2歳馬がいれば、そこで馬券を買う。

これこそが、2歳戦の有効な馬券作戦じゃないかと思っているのです。

ただ、2歳未勝利で気をつけたいのは「人気馬をそのまま買わない」こと。これはおわかりいただけたらと思います。前走1番人気で、今回と同じ距離の新馬で2着。そういう馬は当然人気になりますし、もちろん勝つ確率も高い。しかし、だいたいは単勝回収率、複勝回収率が低いんです。

意外に思われるかもしれませんが、2歳未勝利は穴の宝庫です。穴をあける馬の傾向を調べて、人気馬から「これ」とピックアップした馬を買う。1番人気馬が堅そうなら、そこからデータでピックアップした穴馬に流す。これこそが2歳未勝利の馬券戦略だと思っています。

え、具体的にはどんな馬を狙えばいい? それはご自分で…いや、仕方がない。少しだけ書いておきます。

[昨年8~9月の2歳未勝利において穴をあけた馬の傾向]

  • 前走から中2週または中4週~8週
  • 前走芝→今回ダート
  • キャリア1戦
  • 馬体重440~458kg
  • リーチザクラウン産駒
  • 4月または6月生まれ
未勝利を12番人気で勝ったコスモナインボール
(キャリア1戦、4月生まれ)

ご参考になりましたら幸いです。2歳未勝利をみんなで楽しみましょう!